八重山古典民謡 どんな時に人の歌を聴いて上手いと思うのか。

カラ山 倍達

2012年01月01日 23:27

八重山古典民謡 どんな時に人の歌を聴いて上手いと思うのか。

1) 上手な人。歌声もよく、三線も響き、かつ、歌と三線の絡みがすばらしい時。 もちろん皆、感動だ。こうなりたいと常に思い稽古を積んではいるが、なかなか難しいな。

2) 暗譜して歌ってくれた時。特に、それが、自分の暗譜していない曲ならなおさらだ。ちょっとくらい、三線を間違ったって、歌がイマイチであっても、「やるなあ」と心から思う。

3) コンクールの課題曲なら暗譜していて当然と言う面があるが、課題曲でないものを暗譜して、歌っているのをみると、感激は一入(ひとしお)だ。その人の三線への情熱がこちらにも伝わる。

4) コンクールのために取り組んでいる曲しか暗譜していないという人を見かけるが、あまり感心しない。そのような人の共通点として、その曲を暗譜して演奏する事はもちろんできるのであるが、演奏を聴いていても、「やっと」という感じであり、あまり聴いていて感動はしない。もちろんその人の努力は認める。

 このような人はコンクールが終わると、課題曲も瞬間的に忘れてしまう。個人的にはいただけない。こうはなりたくないな、といつも思っている。

 先生も、優秀賞を受けるのであれば、優秀賞の曲を練習する前に新人賞の曲を練習せよ。最優秀賞を受けるのであれば、新人賞、優秀賞の曲をすべてさらってから、最優秀賞の曲を練習せよ、と口を酸っぱくして指導されている。

 自分としては優秀賞の曲を今、練習しているが、新人賞の曲もさらっている。確かに新人賞の曲を練習すると、ぐんぐんと上手になっていく事が実感できる

5) コンクールがどうのこうの、というより、八重山基本曲(下記)を暗譜して弾いてくれたら、私はそれは価値のある事として認めている。それが、私がまだ暗譜し得ていない曲であれば、私は非常に感動して、その人を賛美して止まない。

八重山基本曲と言われているもの:
 鷲ぬ鳥節 でんさ節 つぃんだら節 久我山越路節 繁盛節 とぅまた松節 かたみ節 白保節 真謝節 鶴亀節 はしゆば
鳩間節 目出度節 など

(ちなみに、私が現時点で暗譜してないものは、繁盛節 とぅまた松節 かたみ節 白保節 真謝節 である。平成24年1月1日現在。今後、励みたい)



八重山古典民謡のお話 目次

 ○八重山古典民謡 どんな時に人の歌を聴いて上手いと思うのか。(平成24年1月1日)
 ○八重山古典民謡コンクール 優秀賞受験に向けての行動計画策定 (平成23年11月16日)
 ○とぅばらーま大会(平成23年度)を見て
 ○私たちが三線を楽しむことの出来る時間
 ○中筋ぬヌベーマの壷
 ○八重山古典民謡コンクールを振り返って----その膨大な課題曲が血や肉に
 ○尺の音を取るのは一苦労
 ○コンクールと言うものを客観的に評価、判定する
 ○岡本太郎と八重山の労働歌であるユンタの出会い

総目次



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