三線バカ一代

これは、三線、八重山民謡に取り付かれた、一人の男の物語である。  いかに日々の稽古に勤しんでいるか、いかに、八重山古典民謡コンクールを受けるために練習を積んでいるのか。そして、いかに三線を通して男を磨いているのか、を克明に記した。
てぃーだブログ › 三線バカ一代 › 八重山民謡のお話 › コメントから 「私がいろいろな曲を暗譜出来る理由」

コメントから 「私がいろいろな曲を暗譜出来る理由」

良いコメントが来たので、それについて、こちらも返答したら、一つの私の意見になったので、記事にしたためた。

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【コメント】
赤馬節、上原ぬ島節、蔵ぬ花、月夜浜、小浜節、古見ぬ浦、大浦越路節を次から次へと、暗譜して掌中に収めている。

凄いですね。

是非、youtubeに投稿していただいて全世界の方々に前人未到の沃土に足を踏み入れ得る欣び、というか、連城の玉を獲(と)るよりも勝(まさ)る歓びを,分かちあっていただこうではありませんか。

投稿 お待ちいたしております。

 Posted by 三線初心者 at 2012年01月19日

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【私の返答】
おはようございます。コメントありがとうございます。
 
 本当に、スゴいことだとお思いでしょうか。実は私はあまり思っていないです。

 というのは、このくらいのことは、八重山古典民謡コンクール優秀賞受験者なら、多少のペースの違いはあれ誰でもやっています。
 私の教室や同門の仲間をみてもそうです。

 私は今度は優秀賞は1回目の受験ですが、何回もやっている人も居ます。3-4回目の人も珍しく無い。

 まあ、まわりにそのような人がけっこう居ますから。

 みなで連絡を取りながらワイワイ言ってやっています。(それほどワイワイでもないが)

 でもね、それこそ、思い込みだと思いますが、「連城の玉を獲(と)るよりも勝(まさ)る歓び」は味わっていますね。

 当ブログの記事に、「我々が三線を楽しむことの出来る時間」という記事があるのですが、我々が三線に傾倒して打ち込める時間は、長い人生の中で、せいぜい2-3年。そのような波が2-3度来ます。

 この時に、波に乗って、グンッとやっていく。今、自分にはその波が来ている。だから、容赦なくごりごりやって行こうと思っているし、やっている。するとどんどん頭に入る。

 でもそうでない時期が殆ど。それは、自分が原因ではなく、自分のまわりの状況。仕事のこと、家庭のこと、結婚、離婚、出産、子供の心配、受験、など、三線どころでなくなる時が山ほどある。

 だから、今の時間を大切にしたいです。

 そんなとき、八重山古典民謡コンクールに向けて、その膨大な課題曲をこなしていく。課題曲だからやらねばならない。それをテコにして頑張っている。やった分、うまくなる。やらないとうまくはならない。これも理の当然です。

 課題曲が薄いコンクールも多々ある。どのコンクールを受けようがその人の自由だが、課題曲が薄いと、コンクールのためにやり抜くと言う「テコ」が効かない。すると、私みたいには覚えられないだろう。まあ、私ならそのような状況ではできない。

 仮に課題曲が小浜節と安里屋節と言われたら、今からなら、来年の6月か7月のコンクールに向けてそれを中心にやっていく。
 ちょっと他の曲もかじることもあるだろうが、蔵ぬ花、上原ぬ島節、大浦越路節 というような難曲は、絶対にやらないだろうな。

 私が、いろいろ曲を覚えていることをスゴいとお考えなら、正確に言えば、私がスゴいのではなくて、八重山古典民謡コンクールのシステムというか、その中に、脈々と流れる先人の考え方がスゴいんじゃないだろうか。

PS 学習過程の曲をYouTubeに出しても、と考えてます。また、そのようなことは、自分はあまり好きではない。

Posted by カラ山 倍達 at 2012年01月20日

【参考】
「我々が三線を楽しむことの出来る時間」

もくじ

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Posted by カラ山 倍達 at 2012年01月20日   11:45
Comments( 8 ) 八重山民謡のお話
この記事へのコメント
波に乗ってグンッとやり、課題曲をテコにして頑張れば教室同門の皆さんやコンクール受験者の方々と供に「連城の玉を獲(と)るよりも勝(まさ)る歓び」を味わえるのですね。

分かりやすい説明をありがとうございます。
羨ましいやら憧れるやら。そんなカラ山さんの歌を益々拝聴してみたくなりました。動画サイトが嫌でしたら、このブログ内限定で結構ですのでアップしていただけないでしょうか。ご検討の程をよろしくお願いします。

それから笑われるかも知れませんが、教えていただきたいことがあります。素人の私が聞くと課題曲は賞の大小に関わらず、どれも同じように難しい歌に聞こえます。私の素人考えではコンクールで同じ歌を歌って「新人賞」「優秀賞」と個人の技量を判断して決めても良いと思うのです。しかし現実には課題曲が違っていますよね。それにはやはりそれなりの理由があっての事だと思うのですけれど、今の私のレベルではその理由が考えつけません。

代表的な例として「鷲ぬ鳥」と「赤馬」ではどの辺がどう違うのですか?また審査員はその歌のどこを審査し、どの辺りで判断されているのでしょうか?

何故「赤馬」で新人賞(鷲ぬ鳥で優秀賞、最高賞も)は受験できないのですか? 

課題曲が賞によって区別されている理由とそれぞれの曲が選定された経緯、またその課題曲のどの辺りで技量を測っているのか具体的な内容教えていただけるとありがたいです。
Posted by 三線初心者 at 2012年01月20日 22:52
おはようございます。コメントありがとうございます。  

少しずつ、自分の考えを述べさせていただきます。

問)代表的な例として「鷲ぬ鳥」と「赤馬」ではどの辺がどう違うのですか?  

  三線初心者さんも、正規に習われていないのであれば、三線教室で習われることをお勧めします。
  そして、自分で楽譜を見て、三線を手に取って、赤馬節と鷲ぬ鳥を引き比べてみたらすぐに分かると思います。  

 例えるなら、小学校や中学校で習った「比例・反比例」と、高校で習う、三角関数 指数・対数関数くらいの違いがありますね。例えは適切でしたかね?

あと(問)『私の素人考えではコンクールで同じ歌を歌って「新人賞」「優秀賞」と個人の技量を判断して決めても良いと思うのです。」  

 は、それもありと私も同意します。でもいろいろなことを含んでいますね。
 これはまたの機会に自分の意見を述べさせていただきます。かなり長大になりそうなので。
Posted by カラ山 倍達カラ山 倍達 at 2012年01月21日 09:36
(問)『私の素人考えではコンクールで同じ歌を歌って「新人賞」「優秀賞」と個人の技量を判断して決めても良いと思うのです。」  

 鷲ぬ鳥 でも聴けば、大体その人の力量は分かりますが、それで、コンクールをするのは難しいのでは。

 コンクールとは、人を仕切る、計り切る、ことです。

 審査の基準 というものも必要だし、実際にやるとなると、かなり難しいようにも思います。

 鷲 だけを歌わせて、最高賞、優秀賞、新人賞と分別するのは非常に難しい様に思えます。

 また、そのようなものに参加したい、と思う人がどれだけいるか。

 むしろ、それなら、でんさ節大会 とか、 トバラーマ大会 とかがすでにある。
 これは、1−3位くらいまでを競う。そのようなことは行われている。

 そちらに参加した方が良いと思いますね。
Posted by カラ山 倍達カラ山 倍達 at 2012年01月21日 17:04
なるほど、一つの歌だけでは審査が難しいのですね。ありがとうございます。

しかし、ここでまた疑問が一つ出てきました。
「鷲ぬ鳥」など、一つの歌で最高賞、優秀賞、新人賞を審査するのが難しいという事であれば、「鷲ぬ鳥」では新人賞より上位コンクールに必要な技量が測れない。物足りない。難易度が低いという見解になります。

ところが私にはその物足りない物、習得すべき違いが分からない。

これまでにも「鷲ぬ鳥」と「赤馬」もいろいろな音源を聞き比べ、歌い弾き比べてみたのですが、「新人賞」と「優秀賞」「最高賞」向けに区別されている明確な理由がわからないまま何人かの「師匠」や「先生」と呼ばれている立場の方々に同じ質問をしてみましたが「難しさが違う」とか「歌い込んでいくうちにわかる」と曖昧な返事でした。

そんな悩ましい問題を抱えていた私の前に、「課題曲を次から次へと、暗譜して掌中に収めている」カラ山さんが突如として現れ、しかもご本人は凄い事だとは思っていらっしゃらない。

このように現在進行形で次々と暗譜して掌中に収めておられる方であればその違いははっきり分かっていらっしゃると思うのです。いや分かっていなければ「優秀賞」の技能は習得できないはずですよね?
Posted by 三線初心者 at 2012年01月21日 19:16
こんばんは。いろいろコメントいただきありがとうございます。

 でも、八重山古典民謡コンクールにおける課題曲の振り分けが、本当にご理解いただけないのでしょうか。

 いろいろ先生について習っていたこともあるようですし、実際に、鷲ぬ鳥節 と、赤馬節もけっこう練習されているようにお見受け致しますが・・・・

 八重山古典民謡コンクールの場合、まず、新人賞では基本的なことを多く含み、それが複合ではなく、単独であらわれて来るような曲を選んでいるようです。しかも唄いやすい、取っ付きやすい曲を選んでいます。

 八重山古典民謡の特徴は、やはり中舌母音と、節回し。音程の取り方です。具体的には「尺」の音の取り方。これを新人賞の課題曲で徹底的に練習していただく。

 優秀賞では、もっと応用。新人賞よりも長い曲で、曲想を付けるのが難しい曲。「勺」の音の取り方。いろいろなことが複合的に絡んでいる。でも新人賞を通っていれば、どう複合的に絡んでいるかがわかる。

 それを解きほぐしながら理解して行く。そしてマスターしていく。その過程で暗譜もして行く。

 それをやりながら、新人賞の曲も復習する。

 とにかくやってみる。やってみると明瞭に分かる。

 三線初心者さんが、どこまでおやりになっているのか分かりませんが、もし、何もコンクールと言うものをやっていなければ、是非チャレンジされたらよろしいかと。

 このようなものは体で分かるものですから。理屈では分かりません。

 また、話を続けます。最優秀賞では、例えばその課題曲、「月ぬ真昼間」なんて、高い声で、複雑な節回しを唄い、しかもその中に中舌母音も出てくる。息も長い。息も続けなければならない。それでないとウタにならない。もちろん最優秀賞を通る訳も無い。そのような曲です。

 じっくり、新人賞、優秀賞で、八重山古典民謡の基本を身につけていないと出来ない曲が並んでいると理解していますが。

 しかも、課題曲はこのようにテーマがはっきりして、しかも芸術的に高い曲なので、これを勉強すれば、八重山根店民謡といものを効率的に学ぶことの出来るものと、私は理解していますが。

 ここでいろいろ言うより、まず、コンクールを受けてみることお勧めします。

 八重山古典民謡コンクールが、厳しければ、もっと課題曲のすくないコンクールも本島の方では多数やっています。それらを受けることを検討されては。

 でも、それらは、その協会の属する研究所に所属していないと受けられませんが・・・

 また、もっといろいろ言えば、八重山古典民謡の専門家がどのくらい審査しているのか、チェックしてみることも必要ですね。

 中には実はだれもいないのに、「ついで」に八重山古典民謡の審査をしている協会もあるのです。
 私自身、非常に驚かされたこともありますよ。

 また、10人のうち、2−3人しか八重山古典民謡の専門家がいないコンクールもある。これって一体どうなのかな?

 大方の審査員が中舌母音もできるのかどうか分からないのに、「今年の受験者は中舌母音がうまくできていない」という審査後のコメントを出したりする。「えっ」と思いませんかね。

 素人に言う訳じゃないけど、いくら本島民謡が上手でも、審査をするなら、八重山古典民謡の曲も審査員自身が課題曲くらい「暗譜」して唄えなければねえ。

 このようなコンクールに何もしらない有識者と言うものがでることもある。でもそれはあくまでも少数派であるべきでしょう。

なんかねえ。どうなのか?  
 
 まあ、それで良しとするかどうかは、個々の受験者が決めるベキでしょうが。

 私はあえて何も言いません。

 私ならそのような審査をする人が少数だったり居なかったりするようなコンクールは絶対に受けません。

 時間の無駄ですから。

 それはむしろ、私なりに確実に検討させてもらっています。
Posted by カラ山 倍達カラ山 倍達 at 2012年01月22日 01:25
大方の審査員が中舌母音もできるのかどうか分からないのに、「今年の受験者は中舌母音がうまくできていない」という審査後のコメントを出したりする。「えっ」と思いませんかね。

・・・まあ、協会の人に言ったって「おれはできる」とか。「八重山の専門ではないが、審査は出来る」と言われてきっと終わり。それ以上は尋ねられないだろう。

 ましてやその協会に所属していたらね。

 まあ、このようなことは、入る前にきちんと検討する。

 入ってから検討してみても良い。納得出来なかったら辞める。その決定権は個々人にあるじゃないですか
Posted by カラ山 倍達カラ山 倍達 at 2012年01月22日 01:35
新人賞の課題曲では中舌母音や尺などを。
優秀賞では複雑な節回しで息も長く複合的な要素を習得する。

分かりやすい説明をありがとうございます。
力強い文面からカラ山さんの練習量の程を伺い知る事ができました。

先のコメントでは新人賞と優秀賞では比例と三角関数の差があるとの例えでしたのが、分かるような分からないような気がしていたもので・・・・

スミマセン

そこで私の言葉に置き換えて説明いたしますので間違った解釈をしていないか確認をお願いします。

食べ物に当てはめて考えてみましょう。
食べ物は和食でも洋食でも寿司でもお酒やワインでも何でもいいのですが、ここではラーメンとしておきましょう。

ラーメンは手軽な上に奥も深く、世界中の方々に日常的に食されています。インスタントもあればプロが作る絶品もある。インパクトがあって一時的に人気が出るもののすぐに飽きられるラーメンもあれば、派手さはないが安定した味で支持され続けるラーメンもある。三線と全く同じです。

八重山古典民謡という名のラーメン店だと仮定し、新人賞が餃子、優秀賞がチャーハン、最高賞がラーメンだとします。

見習い新人の私が習うのは先ずは餃子です。
キャベツと白菜の切り方から挽き肉や葱の割合、混ぜ具合や調味料のさじ加減、包み方などを学びます。

皮の包み方から焼き方まで一通り出来るようになるまではトライ&エラーを繰り返し、お皿に乗せる事が出来るまでにはある程度の時間とそれなりの練習量が必要でしょう。

そしてめでたく餃子を焼いてお客さんに出せるコンクールに合格しました。店主が認めてくれたのです。

次はチャーハンを習います。
お米の炊き方から卵の溶き方を学び、油を焦がさない絶妙なタイミングでご飯を投入し、火加減に注意しながら手早く鍋を振らなければなりません。餃子の時には習わなかった技能が要求されます。

この頃になると少しは料理人らしい顔つきになり「鍋は鉄製打ち出しに限る」など多少は道具に注文が出るようになります。三線も同じ?ですよね。?

そして見事に美味しいチャーハンを作れるようになって最高賞のラーメンへと進んでいくわけですが、世の「先生」や「師匠」には餃子とチャーハンの違いをしっかりと説明できる方が少ないというのが私の見解なんです。

餃子とチャーハンの違いは子供でも大人でも誰でも簡単に説明できます。言うまでもなく常識です。

ところが「先生」や「師匠」に尋ねても「味が違う」とか「食べたらわかる」といった程度の返事しかできないんです。そこに疑問が残るのです。

少なくとも指導的立場にある先生であれば餃子とチャーハンの違い(鷲ぬ鳥と赤馬の違い)や作り方の違いを材料から切り方から寝かせ、配合、焼きなどを細かく説明できなければなりませんよね。また、それら一連の作業をしっかりと出来ているか確認するのがコンクールだと思うのです。

そしてラーメンです。
三線に琉球古典から沖縄本島民謡から宮古民謡、八重山民謡、新唄からポップスまでいろいろな種類があるように、ラーメンも味噌 しょうゆ トンコツ 塩 創作など数え上げたらキリが無いほどの拡がりをみせています。

このように三線とラーメンには多くの共通点があるのですが、決定的に違う点もあります。

ラーメンの世界では店主がどんなに情熱込めて作ってもお客様に受け入れられなければ失敗作です。

ところが三線の世界には「師匠」とか「演奏者」の独りよがりや勘違いや変な思い込みがまかり通ってしまうから困ったものなんです。

個人で楽しむ分には問題ないのですが、他人を巻き込んだり明らかに別の方向へ行くのは悲しい事です。

それを踏まえて考えてみますとラーメン界のほうが三線などより遙かに厳しい世界である事がわかります。

つまり三線とラーメンの両方にとっての最高の審査員は普通のお客さんという事になります。

結果 結論として

美味しい上に飽きられる事無く、多くの人々に受け入れられ、満足感を与え続けているラーメンが最も価値があるといえそうですし、少なくとも「師匠」や「先生」と呼ばれる方達より遙かに高くて深く、真を突いていると言えます。

いかがでしょうか?
Posted by 三線初心者 at 2012年01月22日 13:09
おはようございます。三線の初心者さん。

 いくつか質問事項があるので、ひとつずつ。

 赤馬と鷲の違いが分からない、というのが、深刻な問題であるようですね。
 先生にお聞きしても、納得するお答えが得られない。ラーメンならすぐ分かるが、三線は、先生が強弁したりするので、変な理屈もまかり通る。 御意。

 でも、悩んでばかりいたって何も始まりませんよね。

 八重山古典民謡は、暗譜をしなければいけません。工工四を見ながら唄っているようでは、できた内にはいりません。

 だから、三線の初心者さんのやるべきことは、赤馬と鷲 を暗譜することではありまんせんか。

 暗譜の過程で、なるほど、赤馬は鷲に比べて暗譜するのに時間がかかるなあ、と実感されるのでは。

 もちろん、絶えず、先生に習いながら節回し等をチェックしてもらうことは言うまでもありませんが。

 鷲はともかく、赤馬を完全に暗譜して節回しも正確に(ちょっとくらいは、Don't mind)唄えれば、生徒レベルでは相当な実力者ではないかと思います。
Posted by カラ山 at 2012年01月23日 09:30
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